TOMORROW X TOGETHERがくれた『In My Blood』という贈り物

2020年3月13日23時53分
コミュニティアプリ Weverse から通知が届きました。
それは、ほぼ食べログ化しているw メンバーの投稿欄「モーメント」に
テヒョンが美味しそうないちごチェリーかき氷の画像を載せたお知らせでした。
そこに書かれたメッセージを翻訳して見てみると
どうやら「12時まで寝ないで」というようなことが書かれており…
 な ん か く る !
なんせテヒョンはTXTのスポ妖精。*1
あと7分後に何かがあることは間違いない、と
高まる鼓動を抑えきれないままその時を待ちました。

そして、日付が変わった3月14日0時。
主にyoutubeFacebookなどの更新を知らせるオフィシャルアカウント*2でも
新曲・カムバに関することや関連記事等を伝える事務所のアカウント*3でもなく、
メンバーが直接発信するアカウント*4にこんなツイートが投下されたのです。

グループ名の他に #To_MOA 、#1stAnniversary というタグがつけられたツイート。
そのリンク先のyoutubeからは、彼らの新しい歌声が聞こえてきました。

www.youtube.com

In My Blood
Shawn Mendesのカバー曲でした。*5
これまでテヒョンが1人で歌ったNathan Sykesの『Over And Over Again』のカバーを
youtubeにupしたことはありましたが*6、TXTとして5人全員でのカバー曲を公式音源として発表するのはこれが初めてです。
ツイートに添えられたタグの #1stAnniversary とはデビュー1周年記念*7という意味と同時に、初めての公式カバー音源化記念ということなのかな?などと思ったりしました。

この曲は、Shawn Mendesが自らの不安障害と闘っている心情を歌った曲です。
“助けて”から始まる歌い出しは静かに自問自答するようで、
しかしそれはだんだん切実さを増してゆき、強く心に刺さる歌声になってゆきます。
パーソナルな独白とも言えるこの曲を5人で歌い継ぐということは
全員が楽曲に対して共通の意識と理解を持っていなくてはいけないと思うのですが、
想いのバトンを声の強弱や感情のグラデーションで見事につないでいて
原曲への真摯な向き合い方を感じさせるし、
その上で5人それぞれの個性も活かされているのが
カバーとしてとても素晴らしい仕上がりになっていると思いました。*8


* ・ * ・ * ・ * ・ *


(ヒュニンカイ)
Help me, it's like the walls are caving in
Sometimes I feel like giving up
But I just can't
It isn't in my blood

ギターのみの伴奏で始まる最初のパート、呟くように歌い始めるヒュニンカイ。
ここでもう一気に心が鷲掴みにされました。
2回出てくる、文の最初の “It” の歌い方に戸惑いや苦悩が滲みます。


(ボムギュ)
Laying on the bathroom floor, feeling nothing
I'm overwhelmed and insecure, give me something
I could take to ease my mind slowly

ギターに加えビートを刻むバスドラが入ってくるボムギュパートで語られるのは
主人公が置かれたあまり良くない状況。
彼が歌っているのはこの部分だけですが、
低めで深くスモーキーな声質と抑えた歌い方が後に続くパートとのコントラストとなり
楽曲に奥行きを持たせる重要な役割を担っています。


(ヨンジュン)
Just have a drink and you'll feel better
Just take her home and you'll feel better
Keep telling me that it gets better
Does it ever?

バスドラのビートが倍になり少しずつ動き出す感情を伝えるのはヨンジュン
良くない状況を打破しようと自嘲気味にもがく思考が手に取るように伝わります。
ヨンジュンの歌声には「陽」の粒子が含まれていると思うので
歌割りがボムギュと続くと互いの特徴を引き立て合うように感じます。*9


(テヒョン)
Help me, it's like the walls are caving in
Sometimes I feel like giving up
No medicine is strong enough

ギターのリフが切り替わり、更にトラックが色づき始めてくるテヒョンパート、
最初の歌詞2行が楽曲冒頭のヒュニンカイパートと全く同じであるにも関わらず
トラックの雰囲気と歌い方の違いで受け取る印象が随分違うことに気づきます。
テヒョンの歌声には悩んでいることに対する苛立ちが込められているよう。


(スビン)
Someone help me
I'm crawling in my skin
Sometimes I feel like giving up
But I just can't

ここで登場するスビンが本当に良い仕事をしている!
あたたかな空気をたっぷり含んだふあふあな毛布みたいにぬくもり感ある声質、
しかしその優しさの奥にある芯の強さが
サビへの橋渡しをするこのパートにぴったりハマっているのです。


(ヒュニンカイ)
It isn't in my blood
It isn't in my blood

サビ、ついに爆発する感情。
ずっとため込んでいた気持ちを一気に吐き出すようなヒュニンカイの
歌声のパワーに圧倒されます。
繰り返される“It isn't in my blood”というフレーズは
直訳すると“僕にそんな血は流れていない”
つまり“僕は(諦めたりする)そんな人じゃない”。


(ヨンジュン)
I'm looking through my phone again feeling anxious
Afraid to be alone again, I hate this
I'm trying to find a way to chill, can't breathe, oh
Is there somebody who could…

しかしまだ揺れ動く心。
ヨンジュンの「陽」の資質を持った声が、豊かな表現力で切なさを湛えて歌うからこそ
強さと弱さの狭間で行ったり来たりする不安定さや孤独感が
よりあぶり出されているように感じるのでしょう。*10


(テヒョン)
Help me, it's like the walls are caving in
Sometimes I feel like giving up
No medicine is strong enough

ここのテヒョンパートは1番で彼が歌っていた部分と歌詞もメロディーも同じです。
ただ、トラックに音数が増え滑らかさが増していることもあり
同じ感情でも刺々しさが若干抜けたように聞こえます。


(スビン)
Someone help me
I'm crawling in my skin
Sometimes I feel like giving up
But I just can't

そこにスビンの安定感。
“誰か助けて どうにかなってしまいそう 
 諦めてしまおうと思うことがある でもどうしても(諦めることが)できない”
そんな葛藤を、攻撃的ではなく内に秘めた強さで表現できるのがスビンなのです。
先日のファンライブ*11の時にも思ったのですが、
彼はこれまでのTXTの楽曲の中で
その柔らかな声質を活かすようなパートを多く担ってきていたので
ここにきて意志が強めな歌声を聞けたのはとても新鮮だし、
まだまだ私たちの知らない魅力を秘めているんだと思うと
スビンのシンガーとしての可能性が今後も楽しみでなりません。


(ヒュニンカイ)
It isn't in my blood
It isn't in my blood

再び叫び出す、諦めたくない心。
“Blood”の語尾に変化をつけるヒュニンカイのスキルフルなヴォーカルが際立ちます。


(テヒョン)
I need somebody now
I need somebody now
Someone to help me out
I need somebody now

感情の昂ぶりはテヒョンのこのパートで更に拍車がかかります。
ヒュニンカイパートで“僕は諦めるような人じゃない”と宣言したその直後の
“今すぐ誰かが必要なんだ 助けてくれる誰かが”という悲痛な叫び。
悩みを振り切ろうとしながら救いの手を必要としている
その必死な姿をテヒョンの切実な歌声が鮮やかに浮かび上がらせているのです。


(ヨンジュン)
Help me, it's like the walls are caving in
Sometimes I feel like giving up
But I just can't

同じ歌詞とメロディーを、最初はヒュニンカイが内省的に歌い
次にテヒョンが苦悩の中に激情を忍ばせ、
そしてここでヨンジュンは迷いながらもどこか悟ったような懐の広さで
次のパートへ向けてかすかに希望の匂いを残してゆきました。*12
この色調の変化を感じた時、私の涙腺はついに大崩壊したのです。
彼らの歌によって映し出された
言葉の向こう側にある感情の機微に心の震えが止まりませんでした。


(テヒョン)
It isn't in my blood
It isn't in my blood

そしてまた繰り返される “僕はそんな人じゃない”
そう、決して諦めたりしないんだ。
どんなに困難な出来事も、高い壁も、必ず乗り越える。
テヒョンのエモーショナルな歌声が魂を揺さぶります。


(ヒュニンカイ)
It isn't in my blood
I need somebody now
It isn't in my blood
I need somebody now
It isn't in my blood

悩んだり、迷ったり、時に誰かの助けを求めながら、
だけど僕は諦めたりする人じゃない、と訴えかけるその強い強い歌声が
この曲の1番最初
消え入るように助けを求めていたヒュニンカイのものであることに
涙せずにいられませんでした。
なんて物語性のある歌割り!


* ・ * ・ * ・ * ・ *


世界中がひとつのウィルスに翻弄され、色んな自由が制限されている今。
もちろんTXTちゃんも例外ではありません。
デビュー1周年のタイミングで初めて自国で、
自分達のファン「MOA」だけを集め行われるはずだったファンライブ。
それはやっと完成したペンライトを初めて灯すはずの日でもありました。
メンバーがどれだけこの日を楽しみにしていたことか。
思えばTXTちゃんはデビューからのこの1年の間に様々な困難にぶつかってきました。
デビューの時から全世界中の注目を集め、グローバルスーパールーキーと呼ばれ、
新人賞を片っ端から総なめにした彼らの経歴は一見華やかに見えるけれど、
最初に発表されたファンダムの名前は
他のアーティストとかぶっていたため変更を余儀なくされ、
夏にはメンバーが次々に体調を崩してしまったことで
参加予定だったイベントをキャンセルせざるを得なくなったり
カムバの予定を2度も延期しなくてはいけなかったり。
やっと叶うと思っていた初めてのライブ、初めてのペンライトの海も
思い描いていた形通りにはならなかった。
あまりに偉大すぎる先輩を持ったことからくるプレッシャーや
様々な妬みによる悪口などに苦しんだこともあったことでしょう。

そんな彼らが
デビュー1周年のタイミングで、
メンバーが発信するアカウントから #To_MOA とタグをつけて
私たちファンにプレゼントしようと選んでくれたのが
“僕は諦めるような人じゃない”と歌う『In My Blood』だったわけです。
その意味を考えるともう……
こんなの泣くしかないじゃないですか………!!!!!

そしてもうひとつ。
この曲に添えられていた画像にはある植物のイラストが描かれていました。

https://pbs.twimg.com/media/ES_3DA5UcAA3qER?format=jpg&name=4096x4096

何の花か気になって、詳しい方に聞いてみると
ワイルドストロベリー(野イチゴ)ではないかとのこと。
画像検索してみると確かに葉の形やギザギザした萼(がく)の形も似ています。
花言葉は「尊重と愛情」「幸福な家庭」「無邪気」。
調べてゆくとワイルドストロベリーには
「幸せを呼ぶ」というジンクスがあるのだとか。
上手に育てると恋愛が成就するという話も。
ヨーロッパでは「Lucky&Love」、アメリカでは「Miracle」を運んでくると言われ
バレンタインなどの贈り物にも選ばれたりするそうで…
TXTちゃんがこの曲をプレゼントしてくれた日は3月14日。
ホワイトデーなんですよね。
そして、もうひとつ思い出してください、
「12時まで寝ないで」とこの曲の投下を予告したテヒョンの投稿のこと…
画像が「いちご」チェリーのかき氷だったってことを!(震)
…もちろんこれらは私の勝手な想像にすぎないので
全然見当違いかもしれないんですけどw
まぁ、幸せな気持ちになれる勘違いならいっか♡ということで(強引)
もう少し想像力を働かせてみると、
このイラスト、まだ花がつぼみじゃないですか。
だから、これからTXTとMOAで一緒に愛を育てて
花を咲かせて幸せになろうってことなのかな、なんてね。

いずれにせよ、
素晴らしい歌をプレゼントしてくれたことは揺ぎない事実。
私は本当に素敵なアイドルに出会えたなぁ、と幸せを噛みしめつつ
これからどうなるかわからないことも多いけど
大きな愛への恩返しをすべくどんな形でも応援していきたいなーと思いながら
今日も彼らの歌声を聞いています。
まだTXTちゃんのことを知らない人にもいつか出会ってほしいなぁ。

ありがとうTXTちゃん大好き♡♡♡♡♡*13


* ・ * ・ * ・ * ・ *


2020/3/18 追記

ワイルドストロベリーは3/29の誕生花らしいのであまり関係がなさそう…
なんにせよあのイラストは苺の仲間っぽいですね。
そうなるとあの日てひょんがWeverseに載せたかき氷の苺は
やはり意図的なものだったということでは…
本当にそうだとしたら、ちょっとしびれます…!!!

*1:スポ=Spoiler=ネタバレ。テヒョンはファンの期待を煽るようなヒントをわざとちょいちょい落としていくことが多いのです。

*2:@TXT_bighit

*3:@BigHitEnt

*4:@TXT_members

*5:こちらがオリジナル。www.youtube.com

*6:テヒョンは色んなカバー曲を少しだけ歌った動画を時々ツイートしてくれるのですが、フル音源として公式にDLできるのは現時点ではこの『Over And Over Again』のみです。 www.youtube.com

*7:TXTのデビュー日は2019年3月4日。先日1周年を迎えたばかりです。

*8:…なんて冷静ぶって書いてますけど、正直公開されてからずっと心臓止まりそうだったし気づいたらこの1曲だけをひたすら2時間聞いていた

*9:漏れる心の声:“home”の歌い方がスッキ…たまらん…

*10:漏れる心の声:“can’t breathe, oh”のohで声がちょっと掠れる感じ、やばくないですか…!

*11:2020年3月8日に行われたTXT初めてのライブ(内容的にはファンミーティング的な感じ)。 現在の状況を鑑み無観客で行われ生配信されました。有料コンテンツで日本円だと2000円ちょっとくらい。1度課金すれば、アーカイブがupされた後は何度でも見られるようになります。今のTXTちゃんの可愛さとかっこよさが詰まった2時間なので興味ある方は是非! www.vlive.tv

*12:漏れる心の声:“Help me”の後のうっすらとした掠れ、“wall”の余韻、“cavin in”の語尾でキュッとなる感じ、“can't”の色付け方……全部…好き……(´;ω;`)

*13:結果ただの惚気ブログみたいになってしまったことは反省している。しかし後悔はしていない (`・ω・´)